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タレコミから税務調査が入ることがある? 実際に税務調査が入った場合の流れについて解説

2021年9月6日

税務調査

税務調査はどの企業であっても対象となり得ます。
「うちは小規模だから大丈夫」と軽んじることなく、いつ税務調査があっても慌てることのないように、日頃から帳簿書類を整理し、適切な申告をするように心がけましょう。
今回は、タレコミによって税務調査が行われる場合があるのか、また税務調査が実施された場合、どこで何が行われるのか、調査後どうすればいいのかを解説します。

タレコミから税務調査が入ることがある?

結論から申しますと、確率は高くありませんが、タレコミから税務調査に入ることはあります。
ただし、税務署へのタレコミは恨みや妬みを持った人からの情報であることが多く、何とかして相手に対し、「痛い思いをさせてやろう」という目的を持ったものが少なくありません。
そのため、そのほとんどは税務署側が話を聞いて終了するのですが、中には実際の脱税摘発にまで結びつくこともあります。そのため、税務署もどれほど具体的な話であるのかを確認するのです。

税務署はタレコミを受けた時、どのように対応するのか

タレコミは、税務署には定期的に相談があります。
一般的に、投書や電話、直接税務署に来署するケースがあり、税務署における総務課が対応しています。そこで真偽確認のための詳しい聞き取り調査が実施され、内容を精査した後、書類にまとめて各関係部署へ連絡されます。

どのようなタレコミが税務調査につながりやすいのか

➀「特殊関係者(愛人)」からタレコミがあったケース
(例)隠し財産の保管場所、公私混合による経費計上

➁元社員からのタレコミで、税金や経理に関する専門用語や業界用語を使っているケース
(例)虚偽の契約記録や売上除外金額の集計表、架空人件費計上の証拠、不当に収入を低く申告している等

➂元社員からのタレコミで、脱税手口の具体性や内部事情を具体的に把握しているケース
(例)租税回避スキームに関する情報、他人名義の取引、海外で獲得した所得に対する脱税行為、海外にて税制が異なることによる脱税行為

上記のようなケースの場合は、その信ぴょう性を確認した上で、提出された資料、及び内部情報が具体的であれば調査に着手される可能性が高いです。また、上記以外でも、同一案件に対して、複数の人からタレコミが来ている場合や、実名での投書や、通報者が税務署に来所する場合などはしっかりと聞き取り調査がなされる傾向にあります。
一方で、匿名の通報や、無記名の投書、匿名電話の場合は、何も対応がされない、もしくは聞き取り調査で終了となることがほとんどでしょう。

タレコミから税務調査が入るまでの流れ

では、実際にタレコミからどのようにして税務調査に入っていくのでしょうか?
下記のような流れで調査につながります。

➀情報提供者から詳細な情報を聞きだす
「タレコミは信ぴょう性が高い情報である」と税務署が判断した場合、情報提供者から多くのことを聞き出せるようにあらゆる角度から詳細に聞き取りを実施します。些細なことが、決め手の手がかりになることが多いからです。

➁手がかりの情報を元に各機関に対して情報提供を求める
税務署は金融機関や役所だけでなく、通信会社や公共料金、不動産契約及び支払状況まで、あらゆる機関へ情報提供を求めることができます。手がかりの情報を元に、あらゆる機関から確固となる証拠を見つけ出します。

➂確固となる証拠を元に税務調査に入る

税務調査はどのように進められる?税務調査の流れと実施場所

では実際、税務調査に入ることが決まった場合、どのように進められるのでしょうか?

税務署から事前通知が届き、日時と場所を確定させる

一般的に、税務調査は事前に税務署から調査を行う日が連絡されます。
※不正を疑われている場合は、証拠保全のため事前通知がない場合もあります

事前通知の方法は特に決まりがないですが、税務署職員から会社や個人宛に直接電話があります。そこで、税務調査日や調査場所を確定させることがほとんどです。
もし、顧問税理士がいる場合は、顧問税理士あてに税務調査の事前通知がいくことになります。
そして、一般的に、事前通知の2~3週間後に税務調査が入ることが多いです。

税務調査の種類

➀内部調査
内部調査は臨場調査の前に行われる調査であり、大きく3つに分けられます。

・机上調査
実地調査の前、申告書等を元に税務署内で内容を確認します
・内観調査
飲食店などで調査官が客として食事をしに行き、客数、客単価、レジ打ち状況等を確認します
・外観調査
店舗の外から顧客数を確認し、申告内容と大きな違いがないか、また車など会社の資産が自宅に置かれていないかを確認します

➁臨場調査
臨場調査とは、税務調査官が調査対象者と直接会って行う調査のことです。
内部調査を経て、事務所、工場、倉庫などに税務調査官が直接訪問し、実施されます。調査時は原則、調査対象者が立会い、希望すれば税務代理人として税理士の立会いも可能です。ここでは帳簿書類に限らず、会社が保有する現金、備品などの現物、在庫として保管している商品も対象になります。

➂反面調査
臨場調査だけでは実態を解明できない場合、調査対象者の取引先等に対して実施されるのが反面調査です。取引先のみならず、従業員やその家族、退職した元従業員にまで及ぶことがあります。帳簿の提示を拒む、偽りの答弁をする、帳簿や証憑に不備がある等といった場合は反面調査が行われやすくなります。
また、税務調査対象先と反面調査先が証拠書類を改ざんや、隠蔽することを避けるため、多くの場合、調査官が事前通知なく、いきなり訪問しています。

➃金融機関調査
金融機関調査は、銀行、証券会社、保険会社等の金融機関に対して、調査対象者の資産状況を調べるために実施されます。以前は書面にて調査依頼、及び回答のやり取りが行われていましたが、2020年10月から預貯金照会業務のデジタル化が試験導入され、電子データ上でのやり取りが可能となりました。税務署が調査対象者の金融機関取引情報を取得するスピードが大幅に改善しつつあります。

税務調査で申告の誤りを指摘された場合、どのように対応したらいい?

最後に、税務調査で申告の誤りを指摘された際、どのように対応するのかについて説明します。

修正申告

税務調査での指摘事項を元に、正しい申告書に修正し、申告する「修正申告」の手続きをする必要があります。
本来支払うべき税額と既に申告している税額の差額の支払いに加えて、納期を過ぎていることに対する追徴課税を納付する必要があります。
追徴課税の種類は以下の通りです。

【追徴課税の種類】 【課税割合】
無申告加算税 15%(50万円超部分は20%)
過少申告加算税 過少申告加算税10%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い額を超える部分は15%)
不納付加算税(法定期限後の納付) 10%
重加算税(仮装・隠ぺいがあった時) 過少申告・不納付加算税に代えて35%
無申告加算税に代えて40%
延滞税 本則14.6%
納期限後2ヶ月以内は本則7.3%


更正の請求

税務調査結果に異論がなければ、修正申告を実施することで完了できます。
しかし、調査結果に納得がいかない場合は、更正の請求をすることができます。これは、調査を行った税務署等へ不服を申し立て、再調査の請求をする手続きです。
更正の請求を受けた税務署は、調査結果の正当性を審理する必要があります。

税務調査のご相談は、あすか税理士法人におまかせください。

あすか税理士法人には、「税務署長」経験者を含む3名の国税OBや、「法学博士」「法学部出身者」など、税務調査のエキスパートが多数在籍しており、日々最新情報の分析・研究・研鑽を積んでおります。
万が一、税務調査の結果に対して納得し難いという場合には、最終的には税務署に訴訟を提起することになります。あすか税理士法人では、一般的に、租税訴訟の勝訴率は10%未満といわれている中で、2件の大きな税務訴訟で勝訴した実績があり、うち1件は最高裁判決勝訴です。
また、あすか税理士法人では、お客様の担当者だけでなく、様々なスタッフがその場面・その場面で、適切で丁寧な対応ができるよう、組織的なサポートの体制作りを行い、お客様のフォローの充実に努めております。税務調査に際しましても、調査の事前準備から当日の調査立会い・立ち合い後の税務署との折衝などに対し、組織的なサポートの下、お客様にご不安を抱かせないよう、きめ細かく対応させていただきます。
税務調査に関して、ご不安なことがございましたら、お気軽にお問合せください。

※この記事は2021年9月6日時点の記事となります。その後の法改正で対応が異なってくる場合もございますので、気になる方は一度あすか税理士法人までお問合せください。

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記事の監修者:あすか税理士法人 加藤知子

税理士・行政書士
課税価格10億円を超える相続相談や「民事信託」を活用した法人化スキーム・連結納税など多様な高度税務案件に従事。租税訴訟の専門家として、7%の勝利といわれる租税訴訟で、完全勝訴1件、一部勝訴2件の実績を誇る。


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