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相続空き家の売却で損しない3,000万円の特別控除の活用法

2026年5月25日

相続した空き家を売却する際、一定の要件を満たせば譲渡所得から3,000万円(相続人が3人以上の場合は2,000万円)の特別控除を受けることができます。今回は、この特例の対象要件や売却パターン、期限を整理し、必要書類と実務上の注意点を説明します。

特例適用のポイントとなる
「対象物件」と「適用期間」

 被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除とは、相続した家屋とその敷地を売却する際に一定の要件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円(令和6年1月1日以後の譲渡で、被相続人居住用家屋および被相続人居住用家屋の敷地等を相続または遺贈により取得した相続人が3人以上の場合は2,000万円)を控除できる制度です。この特例は、社会問題化している空き家の発生抑制を目的に期間限定で設けられています。
 対象となるのは、相続開始直前に被相続人の居住の用に供されていた家屋とその敷地で、家屋については、次の3つの要件すべてを満たす必要があります。
①昭和56年5月31日以前に建築されたこと
②区分所有建物登記がされている建物でないこと
③相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと
 なお、被相続人が老人ホームなどに入所していた場合で一定の要件を満たすときは、入所の直前まで居住していた家屋も該当します。また、家屋を取り壊して敷地を更地として譲渡する場合にも特例が適用できます。
 この特例の適用を受けることができるのは、相続または遺贈により被相続人の居住用家屋およびその敷地等を取得した相続人です。譲渡までの間に、事業用や貸付用、居住用として使用していないことが要件となるため、注意が必要です。
 譲渡期限は、「相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」です。なお、この特例の適用期限は、改正により「令和9年12月31日の譲渡まで」となっています。

控除を実現するための
売却要件と注意点

 空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例の適用を受けるためには、売却時に満たすべき要件があります。まず、譲渡対価の合計が1億円以下でなければ、特例は適用されません。さらに、売却方法によって、適用要件が異なっています。
①家屋または家屋付きでその敷地を売却する場合相続時から譲渡時まで事業・貸付・居住の用に供していない、かつ、その家屋が譲渡の時において一定の耐震基準を満たすものであること
②家屋を取り壊した後にその敷地を売却する場合相続時から取壊しの時まで、家屋を事業・貸付・居住の用に供していないこと、相続時から譲渡時まで土地を事業・貸付・居住の用に供していないこと、取壊しの時から譲渡時まで建物または構築物の敷地の用に供されていないこと
③家屋または家屋付きでその敷地を売却する場合で、①の譲渡に該当しない場合
 相続時から譲渡時まで、事業・貸付・居住の用に供していない、かつ、譲渡時から譲渡日の属する年の翌年2月15日までの間に、一定の耐震基準を満たすこと、または、被相続人居住用家屋の全部の取壊し等を行うこと
 特例を受けるためには特別控除後の税額がゼロになる場合でも必ず確定申告が必要です。その際には、市区町村が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」が求められます。この確認書の取得には時間を要するため、早めの準備が不可欠です。
 以上のように、空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例は、適用要件が複雑で、期限も設けられています。適用を検討する際は、早めに専門家へ相談するようにしましょう。

※この記事は2026年1月時点の記事となります。その後の法改正で対応が異なってくる場合もございますので、気になる方は一度あすか税理士法人までお問合せください。


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