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小規模事業共済は節税対策になる?

2021年8月4日

節税

小規模事業共済とは、簡潔にいうと、「社長の退職金積立」と言えます。
1年間の掛金(全額)は個人の所得税を計算するときに控除されることです。
ただし、加入期間が一定期間以内の解約は元本割れするなどというデメリットもあるので、制度のメリット、デメリットをしっかりと理解した上で加入手続きを決断するようにしましょう。
ここでは、小規模事業共済のメリット、デメリットについてお伝えします。

小規模事業共済とは

小規模事業共済制度は国の機関である中小企業基盤整備機構が運営しています。
現在の在籍人数は約147.5万人(令和2年3月末現在)となっています。(引用:独立行政法人 中小企業基盤整備機構HPより ※2021年3月現在)

(1) 加入資格
加入資格は主に個人事業主と小規模事業の経営者や役員です。詳細は下記となっています。
(引用:独立行政法人 中小企業基盤整備機構HPより ※2021年3月現在)
➀ 建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社等の役員
➁ 商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社等の役員
➂ 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員、常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員
➃ 常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
➄ 常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員
➅ 上記「➀」と「➁」に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)

(2) 掛金
掛金は、1,000円~7万円まで(500円単位)で自由に設定できます。
また、加入後も増額、減額ができ、半年払い、年払い、前納も可能です。

小規模事業共済のメリットとは?節税対策になる?

小規模事業共済のメリットは主に3つあります。

(1) 掛金は全額が所得税の所得控除となる
小規模事業共済の掛金は、全額が課税対象となる所得から控除されることが認められています。もちろん、1年以内の前掛け金も同様に控除の対象です。

(2) 共済金がでる
廃業・倒産になった場合、6カ月以上の積立期間があれば共済金を受け取ることができます。共済契約者が亡くなった場合、掛金納付機関が180月数以上ある65歳以上の場合も、同様に受け取ることができます。
ただし、共済金は雑所得扱いになるので注意が必要です。また、契約者死亡による場合は、みなし相続財産扱いです。

(3) 事業資金の貸付を受けることができる
加入者は、掛金の範囲内で事業資金の貸付けを低金利で受けることができます。通常の銀行融資に比べて、スピーディに融資実行できます。

小規模事業共済のデメリットとは?節税対策する前に確認しましょう

上記のように、メリットの多い小規模事業共済ですが、注意すべきデメリットもあります。
加入前にしっかり把握しておきましょう

(1) 掛金納付歴が20年未満で中途解約した場合、元本割れのリスクあり
掛金納付歴が20年(240カ月)未満で任意の中途解約をしたケースでは、元本割れのリスクがあります。
ただし、廃業・倒産の場合は共済金の支給対象となり、元本棄損はありません。また、65歳以上で掛金納付期間が15年(180カ月)以上の場合も同様に元本棄損はありません。

(2) 受取り時に課税がある
掛金は全額が所得税の所得控除となり、節税できますが、受取り時は退職所得、もしくは雑所扱いになり、課税されるという点には注意が必要です。
また、廃業や倒産、契約者死亡により受け取ることのできる共済金についても同様に課税対象になります。ただし、他の所得とは別に計算され、特別の軽減を受けることができます。

一方で、65歳未満の加入者による、任意解約の場合は、受領できる解約手当金が一時所得となるということには注意が必要です。退職所得に認められる控除などを受けることができないので、節税のうまみも大きく減ってしまいます。

デメリットからわかることは、加入前にある程度、積立シミュレーションを実施することが大切だということです。

事業資金のショートによりやむを得ず、積立金を途中解約しなければならないという事態が、最も元本割れによる損失が大きくなります。しかし、多くのケースでは上述したように解約せず低利で「借入にする」という選択により元本割れを回避しているケースが多いです。
節税対策ばかりに目が行き、多額の積立金額を決めるのではなく、資金繰り計画をしっかりと立てた上で、現実的な積立額で節税しましょう。

小規模事業共済の申し込み方法とは?

小規模事業共済の加入手続きは、中小企業基盤整備機構が業務委託契約を結んでいる団体、または金融機関の窓口で行うことができます。金融機関の支店によっては取り扱いがない場合もあるので、あらかじめ確認しておくことをお勧めします。
会計事務所でも取次を行っている事務所も多いため、相談してみるのも良いでしょう。

    ➀ 委託団体

  • 商工会
  • 商工会議所
  • 中小企業団体中央会
  • 事業協同組合
  • 青色申告会
  • 損害保険ジャパン株式会社
  • アクサ生命保険株式会社
  • ➁ 金融機関

  • 都市銀行
  • 信託銀行
  • 地方銀行
  • 第二地方銀行
  • 信用金庫
  • 信用組合
  • 商工組合中央金庫
  • 農業協同組合(34都道府県)

引用:独立行政法人 中小企業基盤整備機構HPより ※2021年3月現在)

小規模事業共済を活用した節税対策は、あすか税理士法人におまかせください。

小規模事業共済を活用した節税対策を含め、法人が節税するために最も重要なこととは、「企業経営にとって本当に大切な節税対策とは何かを見極め、計画的に実施する」ことです。

大切な節税対策を見極めるためには、決算対策をしっかりと行うこと、また経営計画を策定することが大切になります。

節税対策には短期的に実施できるものから、中長期的に実施できるものまで実にさまざまです。節税対策の効果を最大化させるという意味でも、中長期的な視野で経営計画を立てるようにしましょう。

あすか税理士法人では、「貴社にとって最適な選択」を第一に、これまでの成功事例や専門家としての知識や経験を活かして、経営者様の最良のパートナーを目指しております。

税理士法人としての税務会計業務は当然のこと、過去会計(試算表説明)のみならず、未来会計(早期の決算予測・目標達成に向けたモニタリング等)を軸に置いた成長を促進させるためにサポートいたします。

※この記事は2021年8月4日時点の記事となります。その後の法改正で対応が異なってくる場合もございますので、気になる方は一度あすか税理士法人までお問合せください。

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記事の監修者:あすか税理士法人 加藤知子

税理士・行政書士
課税価格10億円を超える相続相談や「民事信託」を活用した法人化スキーム・連結納税など多様な高度税務案件に従事。租税訴訟の専門家として、7%の勝利といわれる租税訴訟で、完全勝訴1件、一部勝訴2件の実績を誇る。


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